「保全に力を入れる」「保全業務を効率化する」と言っても、どこから取り組んだらいいか分からないFP様もいらっしゃるのではないでしょうか?

保全業務は、営業に加え顧客管理や申請処理も行う必要があり、慣れない業務が多くなる仕事でもあります。

しかし、保険代理店の存続に保全業務は欠かせません。

さらに、保全業務は保険代理店ごとに上手くいく・いかないがはっきり分かれる業務でもあります。

DXやAIなどの取り組みの前に、保全業務を効率化する具体的な方法をご紹介します。

【業務効率化の下準備】保全業務をデータに残す方法

保全業務を妨げている4大要素があります。

それは、

  • 属人化
  • データの分散
  • 業務フローの未定義
  • ログ不足

です。

ここでは、この4大要素を解説しつつその対策をご紹介します。

業務フローの可視化で属人化対策

保全業務は紙やメールの手戻りなどのミスを生みやすい業務です。

それが属人化していくと代理店のナレッジにならず、結局時間とコストを浪費してしまいます。

その属人化を防ぐために効率化の第一歩として保全業務に対して「何が」「誰が」「どれくらい時間を使っているか」を可視化しましょう。

業務フローには担当者、入力項目、処理時間、エスカレーションポイントを必ず記載します。

  • 業務を工程ごとに1行で記載(例:住所変更—受付—入力—確認—完了)
  • 所要時間、発生頻度、ミス率、顧客影響度など時間や数字を具体的に入れる
  • 可能であればタイムスタンプ付きのログも入れる

画像のようにシステムを使い可視化できることがベストですが、Excelやスプレッドシートにて工程と時間のみのフロー図でも構いません。

ここで一番重要なポイントは「社内で共有する」ということです。

属人化はどの会社でも悩みの種になります。

チームで効率良く保全業務を行うためにも、まずは可視化を行いましょう。

データのフローを統一

業務フローを把握できた後は、“データの流れ”の統一を目指しましょう。

顧客対応などのデータは、

  • 手書きメモをエクセルに入力する
  • 面談後にシステムに入力する
  • 口頭で話して上司に報告する

など、顧客データのフローは代理店によって決められていない場合があります。

そのデータフローが決まっていないと、いざ業務効率化を図る時にに大きな弊害となります。

その前に、顧客データのフローは把握しておき業務効率化に備えておきましょう。

理想としてはデータの一元化ですが、いきなり一元化を目指すと作業が多くなりかえって業務の負担が大きくなる場合があります。

まずは、notionやbacklogなどのプロジェクト管理ツールで構いません。

顧客との対応後、どのようにデータを取っているか可視化しましょう。

システムにログを残す

業務フローとデータを可視化した後はログを残すことを検討してみましょう。

「ログ」と聞いてもどのようなログを残すと良いのかが分からない場合も多いはずです。

その時は

  • 顧客データの変更
  • FPの面談履歴
  • 通話履歴

この3つに注目してみてください。

とは言っても、ログ関連はエクセルやスプレッドシートでの管理ではなかり難易度が高く、業務ツールや自社システムの導入が関わってきます。

そのため、ある程度業務フローの可視化と顧客データの流れが理解できて、運用を共有化した後は業務ツールの検討をおすすめします。

FP-Techでは無料相談 & システム開発も行っているため、是非ご相談ください。

【実践編】データを使った保全業務の具体策

保険の営業をする上で、自社に顧客データの蓄積や運用フローの共通化ができた段階で保全業務の効率化を図ることができます。

保全業務だけでもデータを使った施策が山ほどあるため、中でも代表的な施策をご紹介します。

それは、

  • 保全業務に関わるデータ分析
  • 保全業務の自動化
  • 顧客へのマーケティング

この3つの視点に分けられます。

早速詳しく説明していきます。

保全業務に関わるデータ分析

まず、蓄積したデータが一番活躍する場が分析です。

例えば、1人の顧客の申請にかかる工数。

蓄積したデータを使って、処理時間×ミス率×顧客影響でスコア化し、改善の投資対効果を割り出すことも可能です。

さらに、他業者からのリストを使って顧客へアプローチしている場合は、業者ごとのリスト単価が妥当かの判断材料になります。

また、人材の売り上げや業務のボトルネックの特定など、業務全体にデータ分析は関わってくるため、データ分析=経営の心臓と言っても過言ではありません。

一般的には、

  • 自社システム + BIツールとの連携
  • 営業支援システムで分析まで行う

上記の方法で分析を行うことができます。

データの蓄積はまず分析を目的にしましょう。

保全業務の自動化

運用フローの可視化を行なった次のステップとして、是非「自動化」を目指してみましょう。

既存の業務を自動化するには、

  • RPAで業務フローを自動で動かすようにする
  • 自社システムの場合はAPI連携を検討する
  • ヒューマンチェックとシステムチェックの切り分けを行う

というパターンがあります。

中でも事務処理はヒューマンエラーが多発しやすいこともあり、自動化には最優先で考えてほしいポイントです。

業務フローと工数のデータを使って、一番時間がかかっている部分、一番ミスが多い部分を算出して、そこから自動化に切り替える手段もあります。

ポイントとして、全て自動化を目指す必要はありません。

ヒューマンチェックの必要性も考慮して、「ここまではシステム化して、ここの作業は人が行う」という進め方の方がスムーズに自動化が行える場合があります。

このように、保全業務の自動化は「人の作業の代替え」ではなく、「人の作業のサポート」として推進することをおすすめします。

顧客へのマーケティング

蓄積したデータは顧客へのマーケティングでも活躍します。

例えば、顧客への連絡。

メールやLINEにて顧客と連絡する際に、顧客の事前情報を知っておくことで

  • ライフイベントの変化ごとに適切な連絡を送信
  • 顧客ごとにセグメントを分けてアプローチ
  • 連絡が繋がる時間を事前に把握して架電率のアップ

など、保全業務がプラスになるきっかけを作ることができます。

また、アプローチ方法と契約情報を紐付けることで効果的なメール文やトークスクリプトを作成できて、効率よくPDCAを回すことができます。

ポイントとしてはスモールリリースしながらPDCAを回すことです。

マーケティングとしての方針は経営に直接関わることが多く、目標が大きくなりがちです。

しかし、理想にシステムがいつまでも追いつかないと意味がありません。

  • Step1 : 顧客へのメール・LINE一斉送信の機能を導入する
  • Step2 : メール・LINE一斉送信の顧客を抽出する機能を追加する
  • Step3 : 顧客情報を使って、連絡した一定の日が経過したらメール・LINE自動送信を追加する

上記のように、リリースして感触が良かったら次のステップへ進む。という運用を繰り返していくことが理想です。

保全業務はデータ準備で決まる

今回、保全業務を行う上で保全業務に関わる業務の効率化についてご紹介しました。

気づく方もいらっしゃるかもしれませんが、保全業務の効率化を行う上でデータ準備は効率化のコアになる部分です。

そのため、この準備段階で意味のないデータを集めても作業が増えるだけで負担ばかりが多くなります。

業務ツールを導入するにせよ、自社システムを開発するにせよ、データ設計段階がかなり重要です。

FP-Techではそんなデータの下準備段階で迷っている方の手助けを行なっております。

無料で相談も受け付けているため、お気軽にご相談ください。